松尾芭蕉が最期に旅をした暗峠(くらがり峠)
「菊の香に くらがり越ゆる 節句かな」これは江戸時代に松尾芭蕉がその最期の旅となる奈良から大阪へ至る際に、この暗峠にて詠んだ句である。
この暗峠は古来、大阪と奈良を結ぶ最短距離の街道として整備され、江戸時代には現在も頂上付近に残る石畳の道が敷かれたとされている。
また、この暗峠を越える暗越奈良街道は日本のみち100戦に選定されており、特に峠頂上部分の付近の石畳の街道の風情は写真に収めるのに格好の被写体と言えます。
この暗峠へ登りゆく道は大阪府側、奈良県側ともに車でも苦労するほどの急勾配が続いており、徒歩でゆっくりと上って行くのがおすすめです。
酷道としても有名な狭く急勾配のつづく峠道
奈良県生駒市と大阪府東大阪市をむすぶ暗峠は酷道と書かれる国道でも有名。
元祖、日本最強の国道とも呼ばれるこの暗峠は、その短い距離での高低差が大きく車での往来にも難渋するほどの急勾配が続く道。
写真撮影ではあまり関係はないのかもしれませんが、一部のファン層に人気のスポットです。
温かみのある色づきの美しいもみじ風景:暗峠
暗峠を散策する際に、おすすめしたい季節は、その山々が暖かい色に染まる紅葉の季節。奈良時代より使われてきた街道に沿って山を登ってゆけば、途中には棚田の風景などもあり、周囲の紅葉とともにカメラに収めたい風景が続く。
夜、生駒の山から見える絶景
暗峠の頂上付近にさしかかるとからは奈良方面、大阪方面ともに見晴らしの利くスポットがある。
また、頂上からは南北にハイキングコースも交差しており山道を歩けば大阪の広大な夜景を望めるスポットも点在する。
そんな夜景スポットの中でも、もっともおすすめのポイントは信貴生駒スカイラインからアクセスが容易な府民の森内のぼくらの広場。
ここからは圧倒的な大阪の夜景が目の前に広がる。
空気の澄んだ日には遠く明石海峡大橋まで見渡すことができ、暗い夜道にもかかわらず、この絶景を求めて多くの人が訪れる。
アクセス
第二阪奈有料道路、壱分料金所より車で15分程(暗峠)
近鉄生駒線、南生駒駅より徒歩(ハイキング)1時間程